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55号室時代(1891-2018)

2部屋のみのスーペリアルツインのうち、北側に位置するお部屋。
中央階段を昇り、左手奥に進んだ場所に入り口がある。
建設時の廊下にある扉のため、上に窓がある。
入って右手向こうに浴室がある。
入って左手は大正時代まで暖炉があった場所だが、隅が八角形状になっているほかに痕跡はなかった。
中廊下型に改造した際、廊下と階段の位置関係がうまくいかなかったためか、部屋が斜めに削ってある。
浴室は北側に増築されており、飛び出している。火灯窓があることからもかなり昔に施工されたようである。
45号室とほぼ線対称の間取りであり、同様に表側のスペースが広い。
また、寝室との境部分にある扉跡に半円形の窓が残っている珍しい部屋である。(ほかに45,50号室のみである)
また10年ほど前まで窓跡の部分にはカーテンがあった。
もとは54号室・着付け室とのコネクティングルームであり、昭和の終わりごろまでは扉が存置されていた。
よく観察すると壁にわずかな亀裂があり、扉の位置が判別できる。
なお、この部屋は昭和初期頃の絵葉書が存在する。

表側 猫足バスタブを備える

バスタブは今時珍しい猫足であり、蛇口と石鹸置きがついている古いタイプである。

窓側の小さな部屋は建設時には廊下だった部分で、天井の蛇腹は壁に突き刺さるようにして終っている。
下写真は、ドレッサーの照明である。全く見かけない両口の白熱灯であり、珍しい。
トグルスイッチが古風だが、一枚の大きな鏡であり、おそらくは戦後60年代のものであろう。

14号室(2020-)

5部屋あるヒストリックジュニアスイートのうちの一部屋。
今回の改装では耐震補強が施され、もともと200㎜前後だった壁厚もかなり増したようだ。
なるべく面影を失わないよう配慮されたため、ほとんど表面的に変化はない。
55号室に関しては間取りが全く変化していない。

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