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49号室時代(1891-2018)

5部屋あるデラックスツインのうち、おもて向きのノーマルな狭いお部屋。
また窓側廊下時代から続く、富士屋ホテルで最も歴史のあるお部屋のひとつでもある。
中央階段を昇り、右手に進んだ比較的近い場所に入り口がある。
大正時代に改築された際の廊下にある扉のため、上に窓はない。
入って右手には洗面があり、左手には浴室がある。
洗面部は大正時代まで暖炉があった場所だが、すでに痕跡がなかったと記憶している。
浴室と窓側入口の位置関係がそろってしまっているため、無理やりベッドの横をすり抜けて窓側に行くような動線が作ってある。また以前は45,47,49の三部屋がコネクティングルームとして繋がるようになっていたらしく、写真のタンスの位置に当たるが現在その痕跡はないようだ。

大正期に設置された廊下に面する 猫足バスタブを備える

バスタブは今時珍しい猫足であるが、本館ではこの部屋にしかない四角いものである。片方が丸くなっているタブには古い蛇口がついているため、こちらは少し新しいものなのかもしれない。

窓側の小さな部屋は建設時には廊下だった部分で、天井の蛇腹は壁に突き刺さるようにして終っている。
ソファーが二つとテレビ、デスクが詰め込まれておりちょっと狭苦しいが、元廊下だから仕方ないだろう。
窓からは左手に50号室の飛び出た部分が見え、右手には花御殿が見える。
割と狭いお部屋ではあるが、レトロさを楽しむには十分すぎる設備を備えている。

7号室(2020-)

2部屋あるヒストリカルハリウッドツインのうち片方。
今回の改装では耐震補強が施され、もともと200㎜前後だった壁厚もかなり増したようだ。
なるべく面影を失わないよう配慮されたため、ほとんど表面的に変化はない。
ただ49号室に関しては、吹き抜けの防火扉関係からか廊下が一部拡張され、もともと風呂場だった部分がほぼ廊下に転用され、入り口も移動した。そのため部屋が一回り小さくなった。
浴室と入り口扉の位置が入れ替わったが、そこまで有効面積を狭めることにはなっていないようである。
ベッドの位置も逆になったが窓際入口は据え置かれ、廊下からまっすぐの動線で通り抜けられるようになった。

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