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50号室時代(1964?-2018)

一部屋しかないジュニアスイート。正面入口の真上に位置する。
その位置から偉くなったような気分になるため、この部屋を指定して泊まる客も多かったらしい。
中廊下型に改造したときに作られた、本館の中では新しいお部屋。
中央階段を昇り、右手すぐに扉がある。
昭和中期に改築された際にできた部屋のため、扉の上に窓はない。
ホテルの間取り図ではとても広く見えるのだが、53号室の浴室がこちらに食い込んでいるため、そこまで広いわけではない。
部屋のほぼ中央に元廊下だった部分があり、それは天井の下がり壁の形状からもよく読み取れる。
建設当時は、階段を昇ると正面にこの突出部分が見えた。さぞ美しかったであろう。

突出部 和風の意匠が多い。

この部屋は特殊な間取りであるが、おそらく最もこの本館らしさが表れている。
全体的な意匠と、両脇の火灯窓や窓上の桟、丸窓などに和洋折衷が感じ取れる。
浴室の写真を撮り忘れたが、片方が丸い形をしたバスタブで、猫足であった。

9号室(2020-)

5部屋あるヒストリックジュニアスイートのうち中央に位置し、眺めも一番良い。
今回の改装では耐震補強が施され、もともと200㎜前後だった壁厚もかなり増したようだ。
なるべく面影を失わないよう配慮されたため、ほとんど表面的に変化はない。
内装なども特に大きな変化はないようである。

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