田んぼと環境

代掻きの始まる5月から稲刈り前の9月まで、田んぼにはだいたいいつも水が張られています。
真夏の暑い日でも田んぼをわたってくる風は爽やかです。

川の水はあっという間に海まで流れてしまいますが、田んぼに取り入れられた水は地面にゆっくりしみこんで地下水を涵養しています。借りている田んぼは棚田で、減水がとても多いので、特に多くの水を使います(少し昔、辺りに田んぼがたくさんあったころは、水争いがかなりあったそうです。今は田んぼが減っているので水をふんだんに使えます)

それから、夏の早朝や夕方、田んぼに行くと、稲の葉先に水滴が光ってとても美しい光景に出会えます。空気中の水蒸気が結露するだけではなく、稲が吸収した水が葉先から溢泌しているのだそうです。植物の蒸散する水分量はかなり多いと実感します。

夏の夕方、打ち水をするとそのあと少し涼しくなります。
アスファルトの道路やコンクリートの駐車場から草地に足を踏み入れると涼しく感じます。
それよりずっと多くの水を田んぼは湛えています。日本の風土にあたえている影響はとても大きいです。

食糧生産という面だけではなく、環境を作り出しているという面でも水田を評価してもらいたいなと思っています。