太陽光発電システムのDIY

予てから興味のあった太陽光発電。実際どの程度の発電ができるのか、半ば道楽で試してみる。売電ではなく、あくまで自己消費用途。これは独立型太陽光発電(オフグリッド)と言うらしい。

事の発端はママ。ママが車検で交換したバッテリーを持ち帰ってきたので、猿除けの電気柵にこのバッテリーを使おうという話から、どうせなら太陽光発電にしてはどうか?、鶏小屋の日よけも欲しいので一石二鳥、といった感じで話が膨らんだ。パパも考えるうちに、どうせ投資するならある程度まともに使えるもの。常時通電している光ルータやパソコンなどの電源に使えないか?100Vにして屋内に引き込もうなどと、イメージが膨らむ。

いざ検討を始めると、100Wの太陽光パネルでどれくらい発電できるのだろうか?鉛バッテリーはどの程度容量が必要なのだろうか?充電コントローラーはどうするのか?100Vインバーターは?ブレーカーなどの安全対策は?屋内への引き込み方法は?商用電源との切り替え方法は?など多くの課題にぶつかる。

■太陽光パネル
P1170163実際100Wのパネルでも日照時間や朝夕の光の角度を鑑み検討する必要がある。神奈川の年間日照時間は約2000時間、1年は8760時間なので平均日照率は23%。朝夕の光の角度を鑑み日照時間帯の効率を50%に仮定。我が家の鶏小屋に置いた100Wの太陽光パネルの晴天時の発電量は実測値で最大18V・5A程度。それを1日の発電量に換算すると、18V×5A×0.23×0.5×24時間=約250W日になる。10Wの電気製品を24時間駆動できるレベル。大して使えない事がわかる。光ルータやサーバの常時電源に使うには、家の場合30W程度は欲しいので、その3倍は必要。300Wの太陽光パネルで約750W日発電できるシステムにする。Amazonで評価の高い100Wのパネルを3枚購入。

■バッテリー
P1170168毎日750W日の発電ができるとして、最低限750W日の充電ができるバッテリーが要る。実際は雨の日が続いたりするので、3日程度持つように設計するとすると、750W日×3=2250W:3日になる。100Ahの鉛バッテリーは電圧12Vで1200W日の容量なので、100Ahのバッテリーを2台(2400W日)用意する。満充電に3日、連続放電に3日耐えられる設計となる。また鉛バッテリーにはカーバッテリーを考えていたが、バッテリーの容量まで放電(深放電)すると劣化が激しいとの事なので、ディープサイクルバッテリーという深放電のできるバッテリーを選定した。日立のEB100バッテリーを2台購入。

■電気的設計
solar-system100Wの太陽光パネル1枚で最大電流5A、300Wのパネルにすると18V・15Aとなるが、電流が増えるとケーブルのロスも多くなり、充電コントローラーも大容量のものが必要になるため、100Wのパネルを3枚直列接続とし、54V・5Aの設計とする。またバッテリ側も、12Vを並列にすると、電流が倍になりケーブルのロスが大きくなるのと、バッテリー間のアンバランスでロスが生じるので、直列接続としバッテリー側電圧を24Vの設計とした。

■充電コントローラー
image充電コントローラーは太陽光パネルを直列接続としたので廉価な5Aの容量のもので済む。今回は余裕をみて10Aタイプを導入。またコントローラーにはPWM方式とMPPT方式の2つがあるようだが、値が張るが効率の良いMPPT方式を採用。PWM方式は太陽光パネルの電流値(5A)が最大充電電流となりバッテリー側の電圧24Vにおいて5Aの場合120Wの充電電力量になる。また曇りや朝晩で太陽光パネルの電圧がバッテリー側電圧より低い場合充電できない。MPPT方式はスイッチング電源のような構造で常に最大の電力効率で充電ができる。例えば太陽光パネルの発電電力250W(≒54V5A)を全て充電電力250W(≒24V11A)に変換でき、曇りの場合でも充電電圧まで昇圧してある程度の充電ができる。EPEVERのTRACER2210Aを購入。

■DC-ACインバーター
imageバッテリーのDC24VをAC100Vに変換するインバーターは、疑似正弦波インバーターと正弦波インバーターの2タイプがあるが、ノイズの問題や一部の家電製品は疑似正弦波インバータでは動作しない場合があるようなので、値が張るが正弦波インバーターを導入。負荷は30W程度なので、廉価な350W(DC24V)タイプとする。未来社のFI-S353Aを購入。

■安全対策
太陽光パネルと充電コントローラー、充電コントローラーとバッテリーの間には10Aの安全ブレーカーを挿入。DC回路だがAC100V用のブレーカーを使用。バッテリーとDC-ACインバーター間は30Aのヒューズ、DC-ACインバーターのAC側は屋内に引き込むため漏電対策として、漏電ブレーカーを挿入した。

■屋内引き込み
P1170161壁への穴あけは避けたい。クーラーやテレビのパイプ口から引き込む事も考えたが適切な場所に無い。屋外のACコンセント口を活用して、最短距離で屋内に引き込むことにした。また商用電源と発電電源を切りかえるために切替開閉器を使用し宅内で切り替えられるようにした。

P1170166当初は安易に考えていたが、なかなか奥の深い世界だった。また屋外設置のため、防水や日光対策なども必要になる。費用的にも10万円近くの出費になる。設計負荷の30W×24H×365日の電気代は約6000円、費用回収には17年もかかり、バッテリー寿命を考えると到底ペイできるものではない。

実際に運用して3カ月、思いのほか設計通りにはいかない。バッテリー切れでダウンする事しばしば。バッテリー電圧が22Vを下回った場合は、予め切替開閉器で商用電源に切り替える事にしている。実際の発電量は設計値の3割引きといったところ。朝晩や曇りの日の発電効率が上がらないようだ。

300W程度のシステムでは実益はなく完全な道楽の世界。しかし太陽電池遊びは実に楽しい。自家発電の照明で自己満足に浸っている。

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