カーボン弓

DSCF0240ハルキの使っていた弓、C.BAZINがとうとう限界に。弓先が複雑骨折状態でこれ以上使うのは無理と判断。ただ中途半端な弓は買いたくない。近頃はフェルナンブコ材は枯渇して、安い弓は性能的に劣るブラジルウッドを使うらしい。色々と悩んだが、最近流行のカーボン弓にした。購入したのはヤマハのCBB107ZB。ヤマハの新商品のカーボン弓、YBN100と弾き比べて決めた。YBN100も良かったのだが、響きの良さでCBB107ZBを選択。ママも聴いていてこっちが良いとの事。

このCBB107ZB、弓は細く、反りは普通の弓より少ない。非常に硬く、弓の中央で毛と弓の間が3m程度の軽い張りで十分。重心は先弓寄りで重量感がある。

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後日、メインBowのM.SASANO/S.Thomachot(上)、CBB107ZB(下)と、じっくり弾き比べてみた。

<音量>
107はがっちり食いついてバンと音が出る。ノイズ分が多いが通常の音量は1割り増し程度に感じる。ただし最大音量はバイオリン本体に依存するので変わらないだろう。楽に大きな音が楽に出せるということ。特に弓先の強さはすばらしく、先弓でアップでffでガツンと出せるのは気持ちが良い。ppでの制御も悪くなく、ここは木の弓とあまり変わらない印象。固めの弓を使っている場合は特に違和感が無いのではないかと思う。ただし松脂が抜けてくると、とたんに音の芯がなくなる。

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<音色>
107の音色は硬い。スッとした心地よい響きが感じにくい。木の弓のように、元弓から先弓まで全域で弦の振動を感じることはできない。特に元弓はほとんど振動を感じない。日頃右手で音の感覚をつかんでいることを感じた。元弓では右手に感覚が無いので違和感がある。慣れの問題だろうが、弓が体の一部といった感覚にはならない。木の弓は弦の振動と共鳴しあって相乗効果で音を出している。カーボンは弓は振動せず、毛の摩擦で強制的に弦を鳴らしている印象。倍音成分が少なく気持ちの良い響きが少ない。ただし、107はカーボン弓の中でも音色は格段に良い方だと思う。若干弓先での振動感は感じられ、細く加工しているためだろう。

<弾きやすさ>
これはもう鉄壁の安定さである。楽にエッジが立つので、リズムを出すのが非常に楽。ppからffのスピッカート、アップスタッカート、飛ばしのアルペジオなど、どれも違和感無くこなせそうだ。たぶんこの弓に慣れてしまうと、安物弓には戻れないだろう。

107は楽に音が出せ、右手の負担も少ないので、繊細な音色を要求しないTuttiや大ホールでのソロには使えると思う。ただ、M.SASANO/S.Thomachotの優美な倍音にはかなわない。多少腰の弱さはあっても、パパは木の弓を使う。あくまで比較的良い弓との比較なので、107と同程度の価格の木製弓と比較すれば、間違いなく107ではないかと思う。ただし次のグレードアップは中途半端な木製弓では満足できないだろう。トルテなどの銘弓は、機能性と音量・音色を兼ね備えているのだろう。

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