7591プッシュプルアンプの製作

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農閑期を利用して2台目製作。先日の2A3アンプは室内楽には最適ですが、フルオーケストラには少し力不足なので、大学時代に作ってお蔵入りしていた7591プッシュプルアンプを大きく改造する事にしました。球は東芝製のビンテージ球7591です。

差動アンプにしたかったのですが、回路も複雑で難しいので、まずはオーソドックスなムラード式のプッシュプルアンプにしました。
・音質・差動化もにらみ7591は3結にする。
・音質重視でオール3極管構成にする。
・NFBは最低限にする。
・確りしたドライバー(6FQ7)で7591をドライブする。

7591PP-TriodeMode古い製作集を引っ張り出して、ムラード式の勉強をしました。直結になる1段目と2段目の設計が少し難しい。あとはNFBに伴う高域補正回路をどうするか、オシロもオシレータも無いので調整は不可能。あまり凝らずに簡単な設計にしました。

シャーシと多くの部品は以前作ったものをそのまま利用しました。シャーシのみは塗装からやり直してピカピカに、けれどもトランスが古ぼけた感じであまり綺麗になりませんでした。

延べ作業日数7日ほどで完成。先日の2A3よりかなり時間がかかりました。スペースが小さく、また太い線材を使ったので、配線はごちゃごちゃです。信号ループを最低限にすることは徹底しました。

DSCF4200丹念に配線のチェック。いよいよ通電です。心配なのは10年以上休んでいたケミコンが破裂しないかと言うこと。球は挿さずに、屋外に出して恐る恐るスイッチON、緊張の瞬間です。何事も無く通電し、電源電圧を測定していたところ、どこからかパチン・パチンと音がします。煙が出るわけではありません。どうも2段目のグリッドに入っているフィルムコンデンサから音がします。しまった!耐圧オーバーだ・・・。真空管を挿さずに通電したので、無負荷のため400V以上の電圧がかかり、耐圧オーバーしてしまったみたいです。あわてて電源を切り、コンデンサを高耐圧な物に変更しました。ケミコンは今のところ大丈夫なようです。

いきなりのトラブルでかなり神経をすり減らしましたが、いよいよ球を挿して通電テスト。20Ωのダミー抵抗を負荷に入れ、電源ON。 待つ・・ 待つ・・・ 待つ・・・・ 球が暖まったところで迅速に各部の電圧を測って電源off。何とか設計どおりに行ってそうで、ホット胸をなでおろしました。ダミー抵抗も熱くならず、発振もしてなさそうです。

早速メインスピーカー(VICTOR SX-L5)に接続してヒアリング。無事に音が出たときの感動はひとしおです。ほっとしてアバドのブルックナー4番をヒアリングしていたところ、ハルキが「なにこの音!止めてー!」と叫んでいます。なんのこっちゃかわからないままあわててスイッチOFF。ハルキにきいて見ると、「すごい高音がキンキン聞こえて耳がつぶれるかと思った」との事・・・高域発振のようです。スピーカーがお釈迦にならなくてよかった・・・。しかしパパには全く聞こえなかったのはショックでした。昔、親がテレビをつけた時に聞こえる「キーン」と言う音が聞こえない、というので馬鹿にしていた事を思い出しました。今やわが身、ポンコツな耳でオーディオに凝るなんて、ばかばかしくもなってしまいました。

DSCF4298 ま、このまま中断するのも悔しいので、気を取り直して高域発振対策。
トランスの出力側に20Ω+0.1μのコンデンサを挿入して、かつアンプ全体のゲインを落としてNFBも軽く。結果高域発振は止まりました。(ハルキがチェック)。

エージングが済むまでは、なんだかスカスカの音ですが、しばらくすると力強く、澄んだサウンドが蘇って来ました。締まった低音はすばらしいです。ブルックナーやワーグナーが朗々となります。部屋の電気を消し、球のヒーターのオレンジと、7591内の青いビームを眺めながら、悦に入りました。

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