石窯パン

 近所をドライブしているときに偶然見つけた自家製酵母・石窯パンの店『天豆』。箱根の外輪山の麓、小田原から南足柄方面に向かう広域農道の途中にある。心細い看板に導かれて着いたところは、林に囲まれ家もまばらな集落の一軒屋、屋根の上には大量の薪、本当にここがパン屋なのか?と不安になる。入ろうかどうしようかと悩みつつ、目の前をブーンと飛んでいる玉虫を眺めていたら、ご主人が出てきてくれた。きっと僕より若い。さわやかで感じのいい人。二三事・薪の話をして店に入る。
 立ち寄ったのは土曜日の昼、店内には焼きたてのパンが並んでいた。菓子パンではなくてハード系のお食事パンが多く個人的にはとても好感が持てる。奥には大きなレンガ積みの石窯があった。ご主人が半年かけて自作されたそうだ。薪をくべて温度を上げその余熱でパンを焼く方式。ピザ釜と同じような構造になっている。
 しかしこのような田舎で本格パン屋がやっていけるのだろうか?話を伺うに、やはりほとんど訪問販売で固定客相手の商売だそうだ。最近やっと生計が立てられるようになったと仰っていた。
 全粒粉のお食事パンとナッツとレーズンのパンを買って帰った。 
bread2.JPG  このパン、なかなかのもの。窯焼きのカリカリの香ばしさ、中のモチモチ感、酵母の甘い風味、私的にはかなりレベルの高いパンだった。車で20分程度の近所でこれだけ本格的なパンが食べられるなんて!。その晩は庭で取れた夏野菜のラタティーユと併せて、とてもナチュラルな夕食となった。
 このパン屋さん、職人として生計は完全自立、最高の自然環境、という僕にとっては理想的な生き方をされている。しかし失敗するかもしれない石窯を半年もかけて作って、顧客は厳しいロケーションで一から開拓、あまりにリスクが高い。どうしてそこまでチャレンジできるのだろうか?そこまでするから得られる理想なのだろうか? 
 自分の今の生活に不満は無いが仕事は割り切っている。このパン屋さんのように理想の生活環境の中、家族共に自立した生計を立てる生き方って、ちょっとうらやましくなった。

コメント

  1. あらぴょん より:
    工業化画一化の時代もそろそろ終わり、これからは「いろんな生き方ができる時代」になると思っています。また、インターネットという観点で言えば、イイモノを提供すれば必ず売れるようになりつつあります。イイモノ、つまり顧客に対して独自の価値を提供することが前提です。まさにこのご主人のように、仕事場所によらないで、それができます。
    さて、そのとき自分は何がやりたいのか、何ができるのか。これが問われます。価値観が変わりつつある時代ですから、その中にいる人はある面シンどいですね。
    自分自身の方向性も、自分自身の息子への教育もどうするか? 
    ま、今度飲みましょうか。
  2. みのむし より:
    是非!というか、あらぴょんさんからは色々とお話を伺いたいと思いつつなかなかですね。小田原邸サマースクールでも企画しようかな~。

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