ヴァイオリンを鳴らしきる

 楽器を選ぶ時は、まずどれだけでかい音がでるか?そしてその次に音色を考える。アメリカでのバイオリン指導では早い時期にビブラートを教えて、とにかくインパクトのあるしっかりした音が出せるように指導しているらしい(ジュリアード界隈)。ダイナミクスをどこまでつけられるか?というチャレンジはインパクトのある表現をする上で必須だろう。自己満足の世界では、発音が失敗するかもしれないというリスクを犯してまで、楽器を鳴らしきるというチャレンジは理解できないかもしれない。特に合奏になると事は深刻で、音を出すためのトレーニングを強要することは苦痛に感じるメンバーもいるだろう。パート・セクションの底上げといった観点では頭の痛い話である。
 楽器を鳴らしきるというトレーニングは人目・練習環境の問題で後回しにしがちだろう。私も家でこそっと練習しているとこの辺まったくだめになってくる。個人プレーヤーとして、楽器を鳴らしきることは、体育会系トレーニング以外の何者でもない。筋力を鍛え・コツを覚え・維持しなければならない。そこがなかなか環境的に難しい。合奏ではその上で音程を合わせることによって最大共振が得られすごい音が出てくる。このパフォーマンスは当然の前提として音楽作りに専念したいものだ。
楽器を鳴らしきるためのトレーニング(中級編)
<ステージ1:右手の感覚をつかむ>
・開放弦の単純なBowingで弦の最大振動を得られるポイント(弓位置+右手の感覚)をつかむ。
 >まずはゆっくりのbowingで極限まで駒に寄せてどこまで鳴らせるかチャレンジ
 >不正振動が発生する場合は松脂を塗り弓を立てて着地面積を広げて工夫。
 >弓のスピードを少しずつ早めて行き、最も大きな音が出せる弓スピードをつかむ。(常に駒よりで圧力の強い弓元を利用するように意識)
 >更に弓を早くしていき、早い弓でも同様の発声ができるようにトレーニング
 >早い弓・刻みでも鳴らし切る時は圧力の強い弓元を利用する。中弓だとすぐ疲れる。
 >元弓では返しの時に雑音が発生しやすい。ここで右手のクッションが重要となる。
 >右手のクッションがこなれてくると、実は弓元で比較的刻みに近い状態でも楽に楽器を鳴らす事ができるようになる。=ffの刻みが疲れない。
 >G,D,A,E全ての弦でその感覚をつかめるまで筋トレ。
<ステージ2:左手の感覚をつかむ> 
・ステージ1を指を押さえて実施
 >実は指を押さえた方が開放弦より大きな音が出せる。それは不正振動になる限界をビブラートでキャンセルできるから。
 >例えばA線のファーストポジションで3の薬指でDを取りステージ1をトライ!
 >ノンビブラートでこれが限界というところまで発声し、そこで左指の圧力を増して思いっきりビブラートをかけてみる。
 >ビブラートは遅すぎても早すぎても効果は薄い。色々なビブラートで試してみる。
 >楽器を鳴らしきる観点のビブラートは音の頭からしっかりかかる必要がある。=ビブラートアクセント
 >EやG線のハイポジや人差し指、小指を使った練習も工夫してみる。
 *ビブラートは正に筋トレ。音量だけでなくさまざまな表現・音色に関わるので詳細は別途整理。
<ステージ3:音階で極める> 
・ここまでの単一音のBowingで鳴らし切る事はアマチュアでもプロ並みの音が出せるようになるだろう。
・音階や跳躍・移弦で常に鳴らしきれるようにするには、左指の強さ、ビブラートアクセント、右手のクッション・弓中のアップbowアクセントなど複合させなければいけないためハードルが高い。
 >まずは音階練習でステージ1・2を取り入れてやってみる。
 >スラーをつけてもやってみる。
 >指の変わり目で音が萎縮しないように左指の強さとビブラートアクセントをトレーニング。
 >移弦を組み込んでみる。一番厳しい練習は7度(例:A線の1の指とE線の4の指)
 >今浚っている曲のffをゆっくりのテンポで鳴らしきった感覚をつかめるまで練習。
やれば段々強くなってくる。サボると戻る。これはやっぱ筋肉トレーニング。

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